民族の言葉そして狩猟…未来に繋ぐ台湾「多文化教育」【news23】|TBS NEWS DIG
“民族の言葉”が消滅しかかっていた台湾。「言葉が消えるということは、民族が消滅すること」。“民族の言葉や文化”を未来へつなぐため児童が言葉に触れ、狩猟や魚とりを体験する。多文化教育の最前線を切り開く台湾の小学校を取材しました。
■生徒がたった1人でも…台湾で導入の“母語教育”
先生
「文の最初と最後の音を正確に読んでみましょう」
台北市内にある小学校で行われているのは、少数民族タロコ族の言葉「タロコ語」の授業です。
タロコ族の生徒
「以前は話せなかったけど、今は話せるようになりました。(自分の)文化を理解したいです」
台湾では1994年以降、段階的に“母語教育”が導入され、今では小学校~高校まで週1回、民族の言葉である“母語”を学ぶことが義務付けられています。
タロコ語の授業を受ける生徒はたった1人。しかし、どんなに対象生徒が少なくても、学校は生徒が希望する言語の先生を探し、教育を受けさせる義務があります。
■「言語の消滅は民族の消滅」“母語教育”の意義
なぜ、このような取り組みが必要なのでしょうか。
張秀英 先生
「私たちの言葉は絶滅の危機にありました。今最も大切にしているのは言葉の復興です」
台湾には、古くから台湾に住む中華系の人々が使う「閩南語(びんなんご)」や「客家語(はっかご)」の他、16の先住民族にそれぞれの言葉が存在します。
しかし、日本統治時代には日本語教育が行われ、その後、中国本土から渡ってきた国民党は中国語を「国語」としました。結果、各民族の言葉は消滅しかかっていたといいます。
母語教育を推進するプロジェクトメンバーの張校長は、母語教育の意義をこう強調します。
台北市内南港国民小学校 張嘉芬 校長
「ひとつの言葉が消えるということは、ひとつの民族が消滅すること。台湾でもひとつの言葉しか使えない時期がありました。今後、台湾に多様な言語が話される美しい光景が戻ってくることを心から願っています」
“言葉が失われる”。それは文字だけでなく、家族のルーツを失うことも意味します。
台湾の取り組みは、言葉を保存することの難しさと大切さを教えてくれます。
■衣装・踊り・狩猟 言語に限らない「文化の継承」
台中にある民族文化の教育を中心とした小学校。57人いる児童のほとんどが「タイヤル族」です。
タイヤル族は、農業や狩猟をして暮らしていましたが、年々、民族の文化を知らない若者が増加。
この学校では、児童が自ら伝統的な資料などを体験し、学びます。
記者
「午後の授業が始まりましたが、このクラスでは民族が日常的に使うカゴを制作しています」
慣れない授業に悪戦苦闘する子どもたち。作っているのは、タイヤル族が農業や狩りをするときに使うカゴです。
タイヤル族の女性
「よく見て、上に引っ張って、上下になってるでしょ」
児童
「ここはこうしたらいい?」
他のクラスでは、タイヤル族の伝統的な踊り。さらに民族衣装を着たり、伝統的な染め方で色付けした服を着たり、タイヤル族の文化や習慣を学びます。
タイヤル族の民族衣装を着た児童
「すごくかっこいい。だけど、ちょっと体がチクチクかゆい感じがして、日中は数分外に出ただけですごく暑いです」
胡家豪 教務主任
「今日やらなければ、明日タイヤル族はいなくなる。文化を伝承し教育しなければ、文化も言語も失われてしまい、民族そのものが消えてしまうかもしれません」
タイヤル族の男性は狩りに出ることも多いため、この学校では卒業前、特別な授業があります。猟銃の使い方を伝授します。
猟銃の授業を受けた児童
「さっき射撃練習してた時、初めて撃つ時はちょっと緊張した」
先生「何を獲った?」
児童「イノシシだ」
全ては民族の文化を守るため。他にも伝統的な魚獲りや植物採集など、できる限りを継承していきます。
先住民族の歴史の灯を絶やさぬように、山間の小さな小学校が、台湾の多文化教育の最前線を切り開いています。
■“失われつつある多様性”を守るには
藤森祥平キャスター:
自分たちの使っている言葉が消えていくということは、正直、私たちの感覚ではピンとこないところもあります。
クイズプレーヤー 伊沢拓司さん:
民族の定義は複数ありますが、使っている言語によって分類されるというのが民族の一つの定義だと思います。「言語が失われていく」ということは「民族そのものが失われていく」こととイコールになってくるわけです。
台湾では2019年から施行された法律により、どんなに人が少なくても、その言語を学びたい生徒がいたら教えるという教育方針になっています。言語に線引きをしないところが、本質的な多様性なのかなと思います。
「これはOKで、これもOKにしよう」が多様性なのではなく、ありとあらゆるカオスや境界線のなさを許容するのが、本来、多様性のあり方だと思います。。1回線を引くと、その線を中心にどんどん分断されて、多様性から外れていってしまうわけです。
台湾においてそれを行ったのは、日本の支配であり、中国国民党の支配であり、そうした文化があったからこそ、台湾の多様性は1回失われてしまった。
なくなってしまったものを戻すことはできないからこそ、ありとあらゆる境…
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40件のコメント
ハーフとかクォーターの子はどうすんねん。何言語覚えないとだめなん?
「人は国に住むのではない。国語に住むのだ。国語こそが、我々の祖国だ」
「…奇妙だ」
「言葉が変わると私も変わった」
「性格ものの考え善と悪」
「戦争にこの”外見”を変えられたよりも深く」
「私は言葉に支配され言葉は私の内
(なか)に寄生した」
有名なゲームに出る台詞です
いっつも思うけどニュース系チャンネルのサムネ悪意しかないだろw
私は台湾人で、約2年前に原住民教育資源発展センターの組長を務めていました。正直に言うと、原住民族教育の現状は本当に本当に厳しいです…。私が直面した問題として、原住民族語を教える先生が全く足りないことがあります。たとえ先生がいても、安定した給与を保障することができません。教師が不足しているため、のちに法律を改正し、原住民族語教師になるためのハードルを下げました。しかし、ハードルを下げた結果、教師の能力が十分に保証できなくなってしまいました。
また、学生が族語を学ぶ理由の多くは、大学入試で加点ができるからであり、実際に大学生になってしまうと、族語を使う機会はほとんどありません。その姿を見ると、本当に泣きたくなります。
私は、沖縄の言葉(言語か方言かの議論にエネルギーを割くのは本質ではないと思うのでこの表現にしています)の保存、復興活動に非専門家として携わっておりますが、台湾の方々とも交流する機会があり、復興活動においてAI技術を用いるなどその先進性には目を見張るものがあります。
言語復興活動は、人類の多様で豊潤な言語文化の保存や動画のように元々その地域に住んでいた人々の世代間の紐帯としての継承の文脈で語られることが多いですが、スコットランドでは、地縁のない移民の子が当該地域の言葉を学ぶことで地域コミュニティとの心理的な結びつきが強まったという事例もあり、社会の分裂が目立つ昨今、地域の統合にも一役買うのではないかと期待をしています。
日本では、新たに語学を学習する心理的ハードルが高い印象(一方で、最近は韓国語などを気軽に始めている人も多い気もします)ですが、そんなに構えず、とりあえずやってみて合わなかったらやめる程度で取り組めば良いのじゃないかと思います。
その意味で、義務かどうかは置いておいて、選択肢としてある分には悪くないと考えています(沖縄に限らず他の地域の方言なども)。
私はさるになりたくない
石井麻衣さん?なんでこんなにヨソが合わせてやらなきゃならんの?統一教会あらしでしょ?被害賠償請求
素晴らしい。。。
大学の頃、同じ学年に台湾からの交換留学生がいて、一人はアミ族の血統で、もう一人は漢族とパイワン族のルーツを持っていると聞きました。そういう話を聞いたのは初めてだったので、とても新鮮で不思議な感じがしました。
確かに自分の起源がなくなるのは悲しいです。
長く生きていると必ず日本人とは何かとか考えることはあります。
日本の場合天皇制を維持しているからすごく理解というか体現しやすいかなあ。
国内でもアイヌとかあるし、だれしも皆、自分の起源とか考えることは大切だと思います。
伝統を残すことは素敵なことだと思います。
日本も伝統工芸品や各地の方言が消えつつありますし、目の前で自分のルーツが消えていくのは誰だって悲しいですよね。
伊沢さんも仰っているように日本の統治時代の責任もあると思います。自分がやった事ではないけど申し訳ないです。
少しでも台湾が台湾らしくありますように。
がんばれ、台湾🇹🇼❤
昔には中国大陸の方にも沢山の部族があったはず
難しいですね。守ろうとしても、社会に出てから使う機会がないと、学ぶ意味がなくなってしまいます。
こんな感じで北海道でアイヌ語
学習を始めてもいいような…
私は仮にアイヌ語を学べるのなら
とっても嬉しいです!😃
(大和民族ですが)
台湾の言語の中にはカナカナブ語のように数人しか話す人がいない言語があります。
たまにウィキペディアで見ると年単位で話者の人口が変わっていく。
頑張って残してほしいものです。
台湾原住民の中で一番多い阿美族の土地にたまに行くことがありますが、話を聞くと、若い子はほとんど原住民の言葉を話せないと言います。
老人なんかは日常でも話す人がいます。
こういう試みはいいですね
台湾原住民を保護し!永続させろ❗。
日本が台湾を残忍に植民地化した際、原住民を利用し洗脳して中国人住民を殺害させた。中国人住民は明代から居住していたため、厳密には原住民でもあった。
日本人が原住民を利用し尽くすと、彼らも虐殺した。台湾は日本にとって黒糖工場と化した。
サムネ、なんで目バキなの?
これ近代的に考えたら、使わないけど、翻訳機でアイヌ語とかすべての絶滅しそうな言語もプログラムでのこしたらどうだろう?!よく翻訳できるな!と最近翻訳機の進化したと思っていました。
前提が共有されているとき言語は無用である
TBSがこの手の話を扱うと北海道と沖縄独立運動に発展させようっていう魂胆が見え隠れするな
さすがに小粉紅はコメつけてないっぽいな。
なにせ自国の少数民族政策と真逆を行ってるからね。
こういう民族を尊重する民族主義は大切なのではと思いました。他の民族に寛容であることが平和のために良いと思いました
最近、言語には単数系と複数形と双数系の他に、三数があるのを知った。
日帝が台湾統治下の時に高砂族と呼んで同化した歴史もあったりする
Taiwan ❤ Japan = mix people
Goood ❤❤❤❤❤❤❤❤❤
台湾に3度行きましたが私には合ってない気がします😅😅
日本は琉球民族やアイヌの文化を守る政策を行っていますか? 異民族の存在を認めてますか? 中国のように多民族国家を宣言し異民族に優遇政策してますか?
まぁ、とにかく台湾人は漢民族ではありません。
那你们为什么还要打压阿伊努族?
台灣語です⭕️
閩南語じない❌
We Taiwanese speak the Taiwanese language/Tâi-uan-uē/Tâi-gí here in Taiwan. We DO NOT speak 閩南語. The word “閩南語” was invented by the ROChina in 1930s in their country to refer to all the languages spoken in the southern Hokkien as a LANGUAGE FAMILY/Category. In 1930s, Taiwan, under Japanese rule, had nothing to do with the ROChina, and 90% of the Taiwanese spoke Taiwanese and Japanese then. Our language has been called Taiwanese or 臺灣語 since 1900s by the Japanese government.
アイヌの人は原住民じゃないとか言って非難してる日本人がいるみたいだけど、
そういう人たちに見て欲しい動画です
自分たちがどれだけ野蛮な事してるのか、知って欲しい
台湾はところどころ「自由」と言う部分においては、本当に日本より発展してます。
非常に立派な教育だとは思うが、台湾は中国とは違うオリジナリティを持った国家だよって言うのが正直なところ戦略的な核心だと思う。
中国本土?
素晴らしい。あの小さな国にこれだけの多様性がある。「一つの中国」なんて言ってる場合じゃないよ……。国家なんて幻想であって、民族文化や言語に比べたらどうでも良いこと
中国は台湾の本土じゃないです😢
じゃあやろう、
台湾の先住民が漢民族風の名前や言語を押し付けられている状況って、かつての日本統治時代とあまり変わらないですね。
大陸から中華民国の亡命政府と数百万人の兵士・移民が押し寄せて以来、もともとの南方系の台湾人たちも北方系の中国語を強制され、台湾語でさえ消えつつあるんですよね。
❤❤❤