材料費や燃料費の高騰で厳しい経営を強いられているのが、100均ショップです。値上げに踏み切る店もある中、業界2位のセリアは100円という価格を守り続けています。生き残りをかけた戦略を取材しました。

ぬいぐるみに自分好みの衣装を着せてお出かけ

100均受難の時代になぜ均一価格を維持できているのか。ある店の1日をのぞいてみると、客の多くが向かったのは「ぬい活」グッズのコーナー。「ぬい活」とは、好きなアイドルやアニメのキャラクターのぬいぐるみに、自分好みの衣装を着せてお出かけしたり、写真を撮ったりすることです。

ここ数年、若者の間で急速に広まっていて、インターネット上ではたくさんのぬいぐるみの衣装が出回っています。ところが、SNSで「高い」という声が続出。

X(旧ツイッター)より:
「やっとお洋服が出たんだ! サンタ服2000円……高い」
「着せ替えぬいぐるみいいな。でも、高い」

大量発注、全量買い取りで仕入れ値を抑える

そこに目を付けたのが、セリアです。緑色のジャージを見ると、縫製が丁寧。ストライプやロゴのプリントにもこだわっています。

実はセリアでは商品をメーカーに大量発注。それらを全て買い取ることで、仕入れ値を抑えています。こうした独自の生産体制を駆使することで、100円でぬい活グッズを売場に並べることができました。

「ぬい活」ファンからはうれしい声が。

ぬい活ファン:
「セリアはすごくオタクに優しい。100円でそろえられるのは大きい」

2021年9月から販売を始め、今ではアイテム数は約370点。この2年で「ぬい活」商品の売上は6.8倍になりました。しかし、なぜセリアはぬい活グッズに活路を見出すことができたのか。

限られた客層に狙いを絞る

担当者が見せてくれたのは、POSという販売データを管理するシステムのデータです。

セリア 商品企画課主任 田海 千智さん:
「個々の商品の客支持率を数字化したグラフが確認できます」

データによりますと、売り上げの中心はやはり日用雑貨ですが、ここ数年で趣味・嗜好品の売り上げが、急激に伸びていることがわかりました。そこで、ぬい活グッズをはじめ、キャンプ用品やミニチュア玩具など、限られた客層に狙いを絞った商品を増やしたのです。

2022年度の売上高は過去最高に

田海さん:
「(前は)『必要なものがそろっているから100円ショップへ行こう』でしたが、今はほしいものがあるから買いに行けるショップになってきました」

日本経済新聞社 長縄 礼香記者:
「セリアは強みのデータの分析力を生かし、新たな商品を展開する際は、まずは一部の店舗に導入して、データでその売れ行きなどを把握してから販売を広げるか否かを判断しています。在庫ロスなどが起きないようにリスクを抑えているので、大胆な商品開発に注力できます」

こうした戦略が功を奏し、2022年度の売上高は2100億円を超え、過去最高となりました。

田海さん:
「100円という限られた価格帯の中で、お客様に100円以上の価値を感じていただけるオリジナル商品の開発に、今後も注力していきたい」

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