【国債で減税していいのか?】緊急提言!金融財政が抱える”難病”、アベノミクスとMMTの功罪、そして日本経済を救う構造改革とは?

【動画目次】
0:00 積極財政派の勝利
4:08 新しいお金
16:19 国債すり放題時代
31:35 世界一の肥大化
34:28 コロナ後の物価高
43:58 破綻なき難病
49:23 日本版MMTが「積極財政派」
54:00 日本を、取り戻す
1:16:12 想定される質問まとめ

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■今回の授業に関して予想される質問と解説

1. 国民民主党・参政党・れいわ新撰組は「減税の財源は国債発行」と言っているのか?

以下の記事にて「減税の財源は国債発行である」ということが明言されています。
・NHK:国民 玉木代表 消費税率引き下げ “国債発行して対応すべき”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250510/k10014802001000.html
・東京新聞:「国債はどんどん発行すればいい」参政党・神谷宗幣代表の主張に賛否
https://www.tokyo-np.co.jp/article/419761
・産経新聞:れいわ新選組・山本太郎代表「『失われた40年』にしないため消費税は廃止」
https://www.sankei.com/article/20250708-K6SVFK6IDRND3NQM233SUFX6NY/?outputType=theme_election2025

2. 為替対応は日銀の役割ではないのでは?

日銀の役割は「物価の安定」と「金融システムの安定」で、為替そのものの管理は財務省の仕事です。そのため「日銀が為替目的で利上げや利下げをするのは越権だ」という声もありますが、国会答弁や日銀総裁発言でも、「(日銀は)物価安定のために為替の影響を考慮する」と明言されています。為替は輸入物価や物価全体に影響するため、物価安定を目的として円安・円高に対応するのは、日銀の正当な政策行動とされています。

3. 日本の法人税率は国際水準に比べて低いわけではないのに、さらに上げる必要があるの?

日本の法人税は、表向きの「法定税率」が約29.7%と、G7やOECD平均(21%台)より高めです。ただし、実際には研究開発減税や各種優遇措置によって、企業が実際に負担する「実効税率」はもっと低くなります。大企業でも各種優遇措置により20%前後まで下がることがあり、QDMTTの導入背景からもわかる通り、特定業種や条件下では15%を下回る場合もあります。(OECD/G20 BEPS包括的枠組み「Pillar 2」合意文書、財務省「グローバル・ミニマム課税制度の概要」より)

4. 法人税を引き上げると企業が海外に逃げるのでは?

確かに“逃げられる”懸念は想像しやすいですが、実際のデータでは、法人税率が1ポイント上がっても本社移転率は16.8%の上昇にとどまります(IDEAS/RePEc)。具体的に考えると例えば100社中2社が移転していた場合、2.34社になるだけで、追加は0.34社にすぎません。数字だけ聞くと大きく感じますが、実際の影響はごくわずかです。よって、「法人税優遇を廃止した途端、大量逃亡」が起きるとするのは、実態よりも主観に基づく過剰な警告です。

5. コストプッシュ型インフレは利上げしない方がいいのでは?

賃金が上がらず物価だけが上がる「コストプッシュ型インフレ」では、利上げは効果が薄いという意見があります。
しかし、その物価上昇の大きな原因が「円安」であれば話は別です。
円安は輸入品の価格を押し上げるため、円高に戻して物価上昇を抑えることは正当な政策です。そして、円安の主因が日米金利差であれば、経済理論上、金利差が縮まれば円安圧力は弱まるため、為替を安定させる一つの手段となり得ます。

6. インフレの要因は円安ではないのでは?

ウクライナ戦争やコロナ禍による供給網混乱は確かにインフレの一因でしたが、最近ではその影響は次第に弱まり、足元の物価上昇は円安による輸入価格高が大きなドライバーとなっています。日銀などの分析では、円安は輸入物価全体を押し上げ、生活必需品からエネルギーまで幅広い価格が高止まりしているとされています。

7. 円安の原因は金利差ではないのでは?

ロシア・ウクライナ戦争やコロナ禍による供給ショックは日本に影響を与えましたが、円安の原因をそれだけで説明するのは不十分です。これらは原油・小麦・半導体などの価格や供給に影響しましたが、その影響は一時的で、現在の持続的な円安の最大要因は日米の金利差であり、そこにキャリートレード(低金利の円で資金を調達し高金利通貨に投資する動き)が加わって為替を押し下げています。

8. 経済成長すれば問題ない?

GDPが増えて債務対GDP比が下がっても、政府の現金払い能力は別問題です。
税収はGDPと比例せず、増えた税収も社会保障や防衛など他の支出に回ります。金利上昇時には国債費が数兆円規模で増加し、不足分は追加国債で対応せざるを得ません。つまり「名目上の余裕」と「現金払い能力」は別物で、国債が膨らむ日本では利上げは財政に直撃します。

9. 借金をしても資産が多いから大丈夫では?

財務省が保有する外国通貨建て資産は外貨準備と呼ばれます。
これは為替レートの急変動や国際収支の危機に備える資産で、主に米国債や外貨預金で構成されています。外貨準備の運用益は年間で数千億〜1兆円規模になることもありますが、原則として為替介入など外貨準備の目的以外には使えず、財政赤字の穴埋めや社会保障支出には使えません。

10. 利上げしても資産からの金利収入も上がるので大丈夫では?

国債は現金での利払い義務がありますが、政府が保有する資産の多くは公共インフラ、貸付金、出資金など換金性が低いもので、金利上昇によって利子収益が増える資産は総資産の半分以下にとどまります。(財務省「令和5年度「国の財務書類」のポイント」より)
また、日本の対外純資産は世界最大規模の約533兆円ありますが、そのほとんど(99%以上)は企業や個人など民間が保有しており、政府が自由に使える部分はごく一部しかなく、実質的な相殺余力は限定的です。

11. ネット(純利払い負担率)で見ると日本の利払い負担率は低いから大丈夫なのでは?

日本の利払い負担が低いのは、長年にわたる超低金利政策に支えられているためです。現在の利払い費は低いため、「今の利払い負担は他国より軽い」という主張は統計上、正当です。ただし、この状況は「未来永劫安泰」という意味ではありません。今後金利が上昇すれば、利払い額は急速に増加し、負担率も上昇する可能性があります。

12. 日銀に払う利子も国庫納付金で返ってくるのでは?

日銀保有分の利払いの一部は国庫に戻りますが、金利が上昇すると日銀の支払利息が増え、利益を圧迫する可能性があり、その結果として国庫納付金が減少するリスクも指摘されています。必ずしも財政負担を軽くするとは限りません。

13. CDSや格付けは高評価だから大丈夫なのでは?

日本のCDSや格付けが高いのは、国債の約9割を国内で保有し、円建て発行で通貨発行権も持つためデフォルトリスクが低いからです。さらに日銀が国債市場を実質的にコントロールしており、市場変動も抑えられています。ただし、この安定は構造的な強さではなく、「金利が上がれば崩れる可能性がある」と指摘する声もあり、市場はその動きを敏感に注視しています。

■出典・参考資料一覧
以下リンク先からご確認ください
https://docs.google.com/document/d/1NiKFq1wxlxFpNP2wgkTiQvvC-BViX_v_dRf851gXCvQ/edit?usp=sharing

【究極のマネー史】
前編:https://youtu.be/wOxCr8QRUL0
後編:https://youtu.be/Bpb_fNnQ4TU

【止まらない円安・貧困化の恐怖】
前編:https://youtu.be/w7b2ILri8XQ
後編:https://youtu.be/vGUrYEK1B5E

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https://www.nakataatsuhiko.com

28件のコメント

  1. この動画は本当に危うい。皆が絶賛していることが非常に危うい。彼の現状認識は明確に間違っている。影響力が大きいからこそ本当に恐ろしい。皆さん、他の方の動画も見て勉強してください。

  2. 大企業は円安の恩恵で過去最高益の企業が多いので、法人税を上げるのは賛成です。が、逆アベノミクスっていうキャッチフレーズって、合ってますか??
    「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」がアベノミクス。
    コレの逆?

  3. 銭ゲバの政治家が賄賂目的で国をダメにしたってことでは?
    必要なのはギロチン。

  4. ここまでスタンスを押し切る中田さんは珍しい!

    これが選挙演説だったらな…
    それなりの数の国民を動かせますよ。
    ただそれが叶わないのが最強にして最大の壁。

    政治の道は望めなくとも、この動画の勢いのままどこかの政党に参謀として入って欲しい。

  5. 国民民主や参政はどんな考えかしらんけど、れいわ議員は昔から利払いの話題だされるとずっと逃げてたよね。
    個人的には法人税上げるのは賛成ですが、下げるのは消費税より社保が良いなと思ってます。
    軽減税率分だけならまぁ良いかもだけど、全部廃止すると不動産とかが爆発しそう

  6. このチャンネルはよく見ますし中田さんのわかりやすい解説に感服することも多いですが、今回は明らかに中田さんは間違っている。コストプッシュインフレはインフレではないし今の日本にもっとも必要な経済政策はお金の流通量を増やすことです。増やす方法は2種類、国債発行して日銀に買ってもらう方法と日本政府が自ら政府紙幣発行できるようにして刷りまくるかのどちらかです。ちなみに2つめはタブーとされているのでれいわ新選組などは一つ目の方法しか訴えていません。中田敦彦ほど頭の良い人間ですら長年培った間違った認識による洗脳が解けるのは難しいんだと改めて思いました。なぜ日銀と政府を別組織にしているのかなども踏まえて考えれば国民を支配するための大きな詐欺がそこにあると気づくはずです。中田さんならいずれ気づくでしょう、仮に気づいてもそれはタブーとされているので表立って言えるのかはわかりませんが。

  7. 気合いというか熱量というか、今までの授業の中で1番それが感じられた。
    シンガポールに移住して日本を捨てたとか言ってる人もいるが、誰よりも日本の未来を憂いているのはあっちゃんなのではないか。

  8. こんな動画出すと反対する団体とかから何かしらの圧力かけられるかもしれないのに、中田さんの日本をどうにかしたいと言う熱い思いが伝わりました!
    中田さんと違い上手い言葉が出ませんが、すごく感動しました!

  9. さすがあっちゃん❗️こんな動画作れるのはあっちゃんしかいないです。
    この分厚さで国債のことを勉強し、噛み砕き、言語化できる政治家が何名いるでしょう❓国会議員全員にも見てもらいたい。
    国民も勉強して、本質を1票に託せるように成長しないとですね。

  10. なんか新しいスタンスというか本気で動画作ってきた感じがする
    LLMとかのサポートもしっかり使ってそう

  11. 国債発行して 日銀当座預金に沢山お金がある時は 銀行どうしでの貸し借りが少なくなって金利も低下すると説明してる人もいるし 国債がおおくて利払いできないって言ってるけど 政策金利で無担保コール翌日物に誘導すれば 金利も大丈夫じゃないかと説明してる人もいて難しくてわからないな

  12. 逆ノミクスは危険です。法人増税は投資マインドが下がり流入資金がさがり企業萎縮につながり景気後退を招きます。自社株買いを促進させ、企業に利確させ、政府は賃上げ政策を促進させ、底上げさせるべきです。
    賃上げは企業の時間の繰り延べができるため、企業の成長思案のリードタイムができます。企業の成長マインドが高まれば、さらに投資機会を得ます。
    したことは戻すことではなく進み続けるしかない。得たものを手放せないのが人類です。その特性をうまく利用しないとボラティリティが生まれ、苦しむのはいつも民人です。

  13. これだけ日本政府に助けてもらったトヨタ自動車の豊田章男会長の発言がこれ→「日本で頑張ろうという気になれない」、「ジャパンラブの私が日本脱出を考えているのは本当に危ない」※2024年7月18日長野県茅野市の聖光寺で開かれた交通安全祈願の催しの後で記者たちに対して。

  14. ここだけはいくら調べてもほんとにわからないので授業にしていただけるのはありがたいですね

  15. 自国通貨の国、米英日で日本国債の健全なところ。

    自国保有率が高い事です。

    国債を財源に減税して国債金利が上がって混乱した英とは全く違う。

    この動画の理屈で前提になってる対GDP比率国債発行残高が世界一高い日本。
    しかし日本は国内保有率が高い。日本政府は国債金利を誰に支払うか?です。多くは日銀や日本政府自身と国内民間銀行ですよね。近年政府の日本国債保有率は急上昇中。問題ありません。

  16. 減税していない日本だけが、経済成長していないのに、減税して経済成長したら、財務省の悪事がばれるから、しないんだろうよ。
    国民民主はやるやる詐欺の隠れ緊縮財政ですよね?
    マジでこの動画、左派の力を感じる。

  17. まずはこの動画のクオリティと覚悟に最大限の敬意を!
    その上で不勉強な事を承知の上で質問させてください。
    カネが入ってくるルール整備が出来れば与党(政党)は影響力の大きな団体(大企業や医師会など)に忖度しなくなるかが疑問です。カネを絶たれても、票は欲しいのではないでしょうか?
    またお金のあるところから取るのであれば宗教法人からも取る事も検討すべきではないかと思うのですがいかがでしょうか?

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